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【SCAJ2024】海ノ向こうコーヒー主催「Co-NECT Meet up」参加レビュー

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みなさんこんにちは、宅飲みコーヒー運営のとむです。
普段は自宅でコーヒーを美味しく飲めるようなトピックを発信しています。


 

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早速ですがみなさんはSCAJ2024行かれましたか?
私は行きました!今回で自身2度目の参加となります。

コーヒー器具や豆の紹介記事は、
これまで多くの方が書いていますが、
セミナーのレビューはあまり目にする機会が少ないかもしれません。




そこで今回、SCAJ2024で開催された
海ノ向こうコーヒー主催のセミナー「Co-NECT Meet up」に参加し、
各国のコーヒー生産者が語る現場のリアルな声を聞いてきました。

本記事では、世界のコーヒー業界が直面している課題や、
今後の取り組みについてのディスカッションをレポートします。
普段なかなか知ることができない海外の生産地からの
貴重な情報や、最新トレンドを学ぶチャンスです。

コーヒー愛好家や業界関係者にとって、
今後のコーヒー市場を考える上で必見の内容ですので、
ぜひ最後までご覧ください!

前半:各国のコーヒー業界が直面する問題とその取り組み

今回のセミナーでは、ネパール、インド、インドネシア、イエメン、
東ティモールの5カ国から代表者が参加し、
それぞれの国のコーヒー業界の現状と課題について
ディスカッションが行われました。

▼登壇者 5カ国の代表者(当日配られた資料)

セミナーのテーマは、
「各国のコーヒー業界が直面する問題とその取り組み」です。
以下に、各国の代表者からの発表内容を簡単にまとめました。

1. ネパールのコーヒー業界について

代表者: ガネーシュさん(ヒマラヤンラグジャリービーンズ)

コーヒー生産を通じて、ネパールの経済的に裕福ではない地域へのサポートと、産業の発展を目指して活動しているガネーシュさんの発表です。日本語上手でした。


問題点:
『ネパールでは、国民の70%が農業に従事していますが、
コーヒー栽培に乗り換えてくれる人は少ないです。
インフラが整っていないため、コーヒー栽培の
コストパフォーマンスが悪いのが原因です。』

取り組み:
『各村で、コーヒー農場から精製までのプロセスを一貫して行うことで、
生産性を向上させ、コーヒー栽培への転換を促進しています。
また、出稼ぎに行っている若者が多いので、
彼らが戻ってきてコーヒー産業に参加する可能性も期待しています。』

2. インドのコーヒー業界について

代表者: バパンさん(パパクチ農園

おじいさんの代から続く農園を守る3代目。日々試行錯誤を重ね、品質の維持に努めながら、インドのコーヒーを世界中に届けているバパンさんの発表です。


問題点:
『アラビカ種のコーヒーに大きな害虫被害が出ています。
特に「ステムボーラー」という害虫が枝に卵を産みつけ、
これが品質に悪影響を与えています。』

ステムボーラーは、コーヒーの木の枝や幹に卵を産みつけ、孵化した幼虫が内部を食い荒らす害虫です。これにより木が弱り、栄養や水分の吸収が阻害され、結果的にコーヒー豆の品質や収穫量が低下します。農家にとっては、生産性の低下や収入減少を招き、駆除にはコストや手間がかかるため、大きなデメリットとなります。

取り組み:
『今後は、このアラビカ種の害虫対策を強化するだけでなく、
ロブスタ種の品質管理にも注力しています。
例えば、豆を乾燥させる際に、木の棚を使ってアフリカンスタイルで
高い位置で干すことで通気性を良くし、品質を高める工夫をしています。
また、果実が一番良い時期に2回に分けてピッキングを行うなど、
コーヒーの収穫方法にも改善を加えています。』

3. インドネシアのコーヒー業界について

代表者: ジョハンさん(コーヒービヨンドボーダーズ

インドネシアのスペシャルティコーヒーの発展と、透明性があり持続可能な、コーヒーのサプライチェーン構築を目指しているジョハンさんの発表です。


問題点:
『インドネシアでは人件費が急激に上がっていて、
さらに気候も地域ごとに違うため、それぞれの地域で
収穫時期が異なります。特にバリ地域では、
お祭りが多く、国民は祭事を優先する傾向があるため、
コーヒー農業にあまり熱心ではありません。』

取り組み:
『各地域の気候や文化に合わせた生産方法を模索しながら、
人件費の管理や労働力の確保に努めています。
また、グリーンハウスでの品質維持にもコストがかかるので、
これにも対策を考えています。』

4. イエメンのコーヒー業界について

代表者: タリックさん(モカオリジンズ

イエメンのコーヒー産業の復興と活性化を目指し、兄弟で会社を設立。コーヒーを通して、イエメンの文化・歴史・伝統なども伝えているタリックさんの発表です。


問題点:
『イエメンでは、実は多くの農家がカートという植物を栽培しています。
カートは、葉に覚醒作用があり、一部の地域で嗜好品として
広く使われている植物です。しかし、カートの栽培には
水や土地などの資源が大量に使われ、コーヒー栽培を含む
他の農業に悪影響を与えています。さらに、カートは
経済的にも持続可能な作物とは言い難く、収益性は低いものの、
すぐに現金化できるため、農家にとって短期的には
魅力的に映ることが多いんです。』

取り組み:
『そのため、私たちは多くの農家にカートの栽培を減らし、
コーヒーの栽培に転向させることを目指しています。
イエメンのコーヒー栽培は、歴史的にも価値が高く、
品質の良い豆を生産できるポテンシャルがあります。
私たちの目標は、段々畑や山間部を有効活用し、
カートではなくコーヒーの木を植えることで、持続可能な農業を推進することです。
コーヒーは輸出向けの主要作物として育てることができるため、
長期的には地域の経済にも大きく貢献できるはずです。』

5. 東ティモールのコーヒー業界について

代表者: ダニエルさん(ACT: Association Cafe Timor

東ティモールのコーヒー産業に関わる個人と企業で構成される非営利団体ACT代表。農家、バリスタ、貿易会社と共に、コーヒーの持続可能性と品質の向上に取り組んでいるダニエルさんの発表です。


問題点:
『東ティモールでは、農園とバイヤー、輸出者とのコミュニケーションが不足していて、
これが大きな課題です。また、国としての歴史が浅いため、
まだコーヒー産業も発展途上にあります。』

取り組み:
『日本の求める品質管理基準を学びつつ、
東ティモール独自の品質基準を確立していく必要があります。
最近のアナエロビック製法やインフューズド精製など、
最新の加工技術に対応しつつ、新しい品種にも注目していかなければなりません。』

後半: コーヒー試飲と交流

試飲コーヒーはすべてのブースでセルフ方式でした。

セミナーの後半では、参加国ごとに5つのブースが設けられ、
各国のコーヒーを試飲しながら一般参加者との交流が行われました。
時間内であれば自由に各ブースを行き来でき、
会場全体が終始リラックスした雰囲気に包まれていました。

どのブースでも提供されたコーヒーは本当に美味しく、
それぞれの国の特色や工夫がしっかりと感じられました。

「Co-NECT Meet up」のまとめ

写真は海ノ向こうコーヒーオリジナルステッカー、どこに貼ろうかな〜

今回セミナーに参加したのは初でしたが、各国が抱えるコーヒー業界の課題と、
それぞれの取り組みについて深く学ぶことができ、
海の向こうコーヒー』がどのようなパートナーと共に歩んでいるのか、
そしてその品質管理へのこだわりを深く理解する機会となりました。

特に、インフラや気候、文化の違いがコーヒー栽培に与える影響を実感しました。
コーヒー愛好家やロースターが一堂に会するイベント(SCAJ)に参加できたことに感謝するとともに、
信頼できる業者と共に私たちのコーヒー体験が支えられていることを実感しました。

こうしたリアルタイムな情報を無料で共有してくれた『海の向こうコーヒー』さんには心から感謝しています。

これからも素晴らしいコーヒーを届けてくれることを楽しみにしています。

ありがとうございました。