こんにちは、「宅飲みコーヒー」を運営しているとむ(@takunomi_coffee)です。
自宅で美味しいコーヒーを楽しむために役立つ情報を発信しています。
以前、普段使っているペーパーフィルターをスマートフォン用顕微鏡で拡大して比較してみました。
ペーパーフィルターって、見た目は同じでも、顕微鏡で見たら密度(キメの細かさ)が全然違いますね😃!
メリタのように密度が高いと、雑味を抑えて安定した味が出る代わりに油分やコクも抽出されにくい一方、ハリオのように密度が低い(キメが粗い)と、コクが出やすい分、雑味も然り…😌
— とむ☕️宅飲みコーヒー (@takunomi_coffee)
この投稿に多く反応をいただいたので、今回はあらためて、
「ペーパーフィルターって、メーカーによって何が違うの?」
を写真付きで比較していきます。
今回比較するのは、
ハリオ・コーノ・カリタ・メリタ・アバカ
の5種類です。
①紙の繊維や表面構造
②抽出スピードの違い
③白色・茶色フィルターの違い
④クレープ加工
⑤どんな人に向いているか
最初に大事なことを言っておくと、
「繊維が粗いから必ず濃くなる」「細かいから必ず雑味が減る」
と単純に決まるわけではありません。
コーヒーの抽出速度は、
紙の構造だけでなく、ドリッパーの形、粉の挽き目、粉量、注ぎ方などにも影響されます。
この記事の顕微鏡写真は研究機関による測定ではなく、僕自身が市販のスマホ顕微鏡で観察した結果です。
ただ、普段はほとんど同じに見えるペーパーフィルターでも、拡大するとかなり違う。
その面白さをぜひ見てみてください。
ペーパーフィルターはメーカーによって何が違う?
ペーパーフィルターは、どれも同じような紙に見えます。
しかし実際には、
- 原料となるパルプ
- 紙の厚み
- 繊維の絡み方
- 表面の凹凸
- クレープ加工
- フィルターの形状
- 漂白・未晒し
などに違いがあります。
この違いが、お湯の抜け方やコーヒーの仕上がりにも影響します。
ただし、ペーパーフィルター単体だけで味が決まるわけではありません。
例えば同じハリオV60でも、
挽き目を細かくすれば流れは遅くなり、
粗くすれば速くなります。
つまり、
ペーパーフィルターは「味を決めるもの」というより、「抽出条件を構成する部品のひとつ」
と考えるのがわかりやすいです。
ペーパーフィルター5種類を顕微鏡で比較
今回は、家庭用としてよく使われている5種類を比較しました。
| メーカー | 主な形状 |
|---|---|
| ハリオ | 円錐形 |
| コーノ | 円錐形 |
| カリタ | 台形 |
| メリタ | 台形 |
| アバカ | 円錐形 |
そして今回使ったのが、スマートフォンへ取り付けるタイプの小型顕微鏡です。
約60倍程度まで拡大すると、肉眼では見えなかった紙の繊維がかなり見えるようになります。
ハリオV60ペーパーフィルター
ハリオV60用の円錐形ペーパーフィルターです。
V60は家庭用ドリッパーの定番なので、使ったことがある人も多いと思います。
顕微鏡で見るとどうなっている?
今回観察したハリオのフィルターでは、比較的繊維同士の隙間が確認しやすい印象でした。
表面には凹凸も見られます。
ただし、
「隙間が大きく見える=必ず抽出が速い」
と顕微鏡写真だけで断定することはできません。
紙の厚みや内部構造、クレープ加工なども流速へ影響するからです。
実際に使った印象としては、V60らしい抽出スピードの調整幅を活かしやすく、
注ぎ方や挽き目で味を動かしたい人
に使いやすいフィルターです。
・V60を使っている
・抽出速度を自分で調整したい
・いろいろなレシピを試したい
・スタンダードな円錐フィルターを使いたい
コーノ円すいペーパー
次はコーノです。
コーノ式ドリッパーも円錐形で、じっくり抽出するレシピなどで根強い人気があります。
顕微鏡で見るとどうなっている?
今回の観察では、ハリオと同じ円錐形でも繊維の見え方に違いがありました。
肉眼ではほとんど同じ白い紙なのに、拡大すると表情が違うのがおもしろいところです。
旧記事では、
「コーノの方がハリオよりキメが粗い」
と断定していました。
ただ、スマホ顕微鏡による1か所の観察だけでは、フィルター全体の孔径や密度を正確に比較できません。
そのため現在は、
「今回撮影した範囲では繊維構造に違いが確認できた」
くらいに捉えるのが適切だと思います。
コーノ式はドリッパーとの組み合わせや抽出レシピも含めて楽しむ器具なので、
フィルターだけで味を判断するより、KONOシステム全体で考える
のがおすすめです。
カリタのペーパーフィルター
今回比較したのは、カリタの台形タイプです。
カリタは台形ドリッパーを使っている家庭では定番ですね。
顕微鏡で見るとどうなっている?
今回使用した「珈琲屋さんのコーヒーフィルター」は、顕微鏡で見るとハリオやコーノとは違った繊維の重なり方が確認できました。
ここで注意したいのが、
同じメーカーでも商品シリーズによって紙質が同じとは限らない
ことです。
カリタには複数種類のペーパーフィルターがあります。
そのため、
「カリタなら全部この構造」
という意味ではありません。
この記事では、あくまで今回使用した商品を比較した結果として見てください。
台形フィルターはセット方法も円錐形とは異なります。
折り方はこちらの記事で写真付きで紹介しています。
メリタのペーパーフィルター
次はメリタの台形フィルターです。
今回使用したのはブラウンタイプ。
顕微鏡で見るとどうなっている?
今回撮影した5種類の中では、メリタは繊維同士が密集して見える部分が多い印象でした。
これは写真でもかなりわかりやすいと思います。
ただし、
「密に見えるからメリタは必ず遅い」
とまでは言い切れません。
メリタ式ではドリッパー側の穴の数や形状も抽出速度へ大きく関わります。
つまり、
メリタの味の安定感をフィルターだけで説明することはできない
ということです。
フィルターとドリッパーはセットで考えましょう。
アバカフィルター
最後は三洋産業のアバカフィルターです。
円錐形フィルターの中でも、コーヒー好きによく知られている製品ですね。
顕微鏡で見るとどうなっている?
今回撮影したアバカでは、ハリオやコーノとはまた異なる繊維構造を見ることができました。
旧記事では、
「ハリオとコーノの中間」
と表現していました。
見た目の印象としてはそう感じましたが、正式な孔径測定をしているわけではないため、
「今回の写真では中間的に見えた」
という表現にしておきます。
アバカという名称は、フィルターにマニラ麻由来の繊維を使用していることに由来します。
コーヒー用フィルターとして抽出速度を重視する人から選ばれることも多く、
V60など円錐形ドリッパーでフィルター違いを試してみたい人
に面白い選択肢です。
5種類を比較してわかったこと
今回、顕微鏡でペーパーフィルターを見て一番感じたのは、
「同じ紙に見えても、実際にはかなり構造が違う」
ということです。
ハリオ、コーノ、カリタ、メリタ、アバカ。
肉眼では、
「白い紙」
「茶色い紙」
くらいにしか見えません。
でも拡大すると、
- 繊維の太さ
- 繊維同士の重なり
- 空間の見え方
- 表面の凹凸
などに違いがあります。
一方、この写真だけを見て、
「このフィルターが一番美味しい」
と決めることもできません。
ここが今回の記事で一番伝えたい部分です。
ペーパーフィルターの密度だけで味は決まらない
旧記事では、
キメが粗い
↓
お湯が速く通る
↓
油分・コク・雑味が出やすい
という説明をしていました。
これは少し単純化しすぎていました。
実際の抽出は、
ペーパーフィルター × ドリッパー × コーヒー粉 × 注ぎ方
の組み合わせです。
例えば同じフィルターでも、
挽き目を細かくすれば流れは遅くなります。
注湯量を増やして液面を高くすれば、流れ方も変わります。
さらにフィルター自体にも、
厚さやクレープ加工などがあります。
つまり、
顕微鏡で見える繊維の密度は、フィルター特性を考えるヒントのひとつ
という位置づけが適切です。
ペーパーフィルターでコーヒーオイルはどこまで変わる?
ペーパードリップでは、金属フィルターと比べると、紙がコーヒー中の油分や微粉の一部を捕捉します。
そのため一般的に、
ペーパードリップ=比較的クリアな飲み口
になりやすい特徴があります。
一方、
「ペーパーの密度が違えば油分量が必ず○%変わる」
というほど単純ではありません。
コーヒー粉や抽出条件も影響するからです。
フィルターを変えたときは、
同じ豆・同じ挽き目・同じレシピ
で飲み比べると違いがわかりやすくなります。
白と茶色のペーパーフィルターは何が違う?
ペーパーフィルターには、
白色
茶色
があります。
一般的に、
白:漂白されたフィルター
茶:未晒しタイプ
です。
白いペーパーフィルター
白色フィルターは製造工程で漂白処理されています。
現在のコーヒーフィルターでは酸素漂白などの方法が使われています。
「白だから危険」
と考える必要はありません。
茶色いペーパーフィルター
ブラウンタイプは、漂白工程を行わない未晒しの紙です。
ナチュラルな見た目が好きな人はこちらを選ぶことも多いですね。
白と茶色でコーヒーの味は変わる?
これも、
必ず白がおいしい、茶色は紙臭い
と決めることはできません。
製品ごとの紙質によって違います。
ただし、ブラウンタイプで紙由来の香りを感じる場合は、抽出前にお湯でリンスすると軽減できることがあります。
僕なら、
色そのものより、使っているドリッパーに合うフィルターかどうか
を優先します。
ペーパーフィルターはリンスした方がいい?
いわゆる「湯通し」です。
フィルターをドリッパーへセットしたあと、コーヒー粉を入れる前にお湯を流します。
リンスには、
- フィルターをドリッパーへ密着させる
- 器具を温める
- 紙の香りを軽減する
といった目的があります。
ただし必須ではありません。
フィルターやレシピによっては、リンスしない淹れ方もあります。
一度、
リンスあり/なし
で飲み比べてみるのも面白いですよ。
クレープ加工とは?
ペーパーフィルターをよく見ると、表面に細かな凹凸があります。
【現在使用しているクレープ加工の拡大写真をそのまま使用】
このような加工をクレープ加工と呼びます。
紙表面へ凹凸を作ることで、
- 紙の表面積
- ドリッパーとの接触状態
- お湯の流れ
などに影響します。
旧記事では、
「円錐形へ馴染ませるための伸縮性」
を主な理由として説明していました。
ただ、クレープ加工は抽出時の流れや空気・水の通り方にも関わるため、
単純にフィルターを曲げやすくするだけの加工ではありません。
ペーパーフィルターを選ぶときに、繊維だけでなく表面の凹凸も見てみると面白いです。
ペーパーフィルターはどれがおすすめ?
結論、
「これが絶対一番」というフィルターはありません。
使っているドリッパーと、どんなコーヒーを淹れたいかで選ぶのがおすすめです。
例えば、
V60を使って抽出を自由に調整したい
→ハリオやアバカ
KONO式をレシピどおり楽しみたい
→コーノ
台形カリタを使っている
→カリタ
メリタ式を使っている
→メリタ
というように、まずはドリッパーとの適合性を優先しましょう。
そのうえで対応するフィルターが複数あるなら、飲み比べて好みを探します。
ペーパーフィルターを変えるときの比較方法
フィルターの違いを知りたいなら、一度自宅で飲み比べてみるのがおすすめです。
そのとき重要なのが、
フィルター以外を変えないこと。
例えば、
豆15g
お湯250g
湯温92℃
同じ挽き目
同じ注ぎ方
という条件にして、
フィルターだけ変更
します。
そして、
「落ち切るまで何分だったか」
「香りはどうか」
「口当たりはどうか」
「後味はどうか」
を比べてみます。
顕微鏡で見る以上に、
実際に飲み比べること
が自分に合うフィルターを見つける一番確実な方法です。
ペーパーフィルターについてよくある質問
ペーパーフィルターでコーヒーの味は変わる?
変わる可能性があります。
紙の構造や厚み、表面加工などが抽出速度に影響するためです。
ただし、フィルターだけで味が決まるわけではなく、ドリッパーや挽き目、注ぎ方なども影響します。
白と茶色ならどちらがおすすめ?
どちらでも構いません。
まずは使用しているドリッパーに対応する製品を選びましょう。
紙由来の香りが気になる場合はリンスして使う方法もあります。
ペーパーフィルターは毎回リンスするべき?
必須ではありません。
ドリッパーへの密着、器具の予熱、紙の香りを軽減したい場合には有効です。
ハリオとアバカはどちらがいい?
どちらも円錐形ドリッパーでよく使われます。
抽出速度や使い勝手を自分のレシピで比較して、好みの方を選ぶのがおすすめです。
フィルターの繊維が粗い方がコーヒーは濃くなる?
必ずしもそうではありません。
紙質以外にも、ドリッパー形状、挽き目、粉量、注湯などが影響します。
メーカーが違うペーパーフィルターを使ってもいい?
形状とサイズが合えば使える場合もあります。
ただしメーカーは自社ドリッパーに合わせてフィルターを設計しているため、最初は純正品を基準にするのがおすすめです。
まとめ|ペーパーフィルターは見た目以上に違う
今回は、
ハリオ
コーノ
カリタ
メリタ
アバカ
の5種類を、実際にスマートフォン用顕微鏡で比較しました。
一見どれも同じ紙に見えますが、拡大すると繊維や表面構造には違いがあります。
ただし、
「繊維が粗い=必ず濃い」
「細かい=必ず雑味が少ない」
と単純に決まるわけではありません。
コーヒーの抽出は、
豆
挽き目
ドリッパー
フィルター
湯温
注ぎ方
などが組み合わさって決まります。
だから僕は、
ペーパーフィルターは優劣ではなく「相性」で選ぶもの
だと思っています。
まずは使っているドリッパーの純正フィルター。
そこから、
「もう少し流れを変えたい」
「違うフィルターを試してみたい」
と思ったら別メーカーを使ってみる。
それくらい気軽に楽しんで大丈夫です。
そして余裕があれば、一度フィルターを拡大して見てみてください。
普段何気なく捨てている一枚の紙が、
実はかなり複雑に作られている
ことがわかって、ペーパードリップが少し面白くなると思います。
台形ペーパーフィルターの折り方はこちらで写真付き解説しています。
円錐形ペーパーフィルターの折り方はこちらです。
それでは今日も素敵なコーヒーライフをお過ごしください。
宅飲みコーヒーのとむ(@takunomi_coffee)でした。
Have a nice drip!








