こんにちは、「宅飲みコーヒー」を運営しているとむ(@takunomi_coffee)です。
自宅で美味しい珈琲を飲むための役立つ情報を発信しています。
前半と後半の抽出液を比べてみた結果
右側 : 前半の抽出液
→旨味たっぷり特濃液
→コーヒーのいい香り左側 : 後半の抽出液
→ほぼ雑味の出がらし
→焦げたような臭い雑誌でよく見かける
『抽出は●分以内で』
『●投目までに落としきる』こういう理屈が理解できた瞬間がたまらなく好きです☺️ pic.twitter.com/PETPbt00Hz
— とむ☕️宅飲みコーヒー (@takunomi_coffee) October 30, 2020
今回は、コーヒーをペーパー抽出した場合、前半と後半でどんな違いがあるのかを比較した結果を踏まえ、美味しいコーヒーの作り方を追求していく実験です。
先に結果だけお見せします。
「抽出前半は美味しいコーヒー、
抽出後半はまずいコーヒーが抽出される」
前半の抽出 | コーヒーのうまみ成分がたっぷり含んだ特濃エキス |
---|---|
後半の抽出 | 渋みやえぐみを多く含んだ出がらしエキス |
今回の実験を通して、コーヒーにはおいしい成分とまずい成分が存在し、それぞれ溶け出すタイミングが違うことがわかりました。
この「コーヒー成分が溶け出すタイミング」を知るだけで、美味しいコーヒーを作るヒントを知ることができます。
そもそも、美味しいコーヒーとまずいコーヒーの違いは何で決まるのか。
よく、「雑味がないコーヒー」が美味しいコーヒーといわれますが、逆に言えば雑味のあるコーヒーがまずいコーヒーとなります。
雑味を含むまずいコーヒーを作る原因は、過抽出です。
過抽出(オーバー抽出)とは、コーヒー液を必要以上に多く抽出してしまうこと。
少ないコーヒー粉で必要以上にお湯で抽出してしまうと、コーヒー粉に含まれるうまみ成分だけでなく、まずい成分まで抽出されてしまいます。
過抽出を防ぐためには、うまみ成分だけを抽出してから、差し湯で好きな濃さに調整するのがおすすめです。
つまり、過抽出をなくすことができれば雑味がない美味しいコーヒーをつくることができます。
コーヒー抽出液を前後で比較してみた
実験の目的
コーヒーのペーパー抽出を前半と後半で容器ごと分け、味や香りがどう変わるのかを実験します。
抽出時間 | 抽出量 | |
前半の抽出液 | 0〜1分半 | 0〜100ml |
後半の抽出液 | 1分半〜3分 | 100ml〜200ml |
※コーヒー豆 18g使用
・コーヒー豆18グラム
・ドリッパー
・お湯(85度)
・耐熱ビーカー2つ
実験の方法
前半抽出用がAのビーカー、後半抽出用のビーカーがBとします。
右の容器=前半の抽出液
左の容器=後半の抽出液
①Aのビーカーに100ml抽出(〜1分半)


②Bのビーカーに残り100ml抽出(1分半〜3分)

③抽出後、それぞれの色、香り、味の変化を確かめる

右の容器:前半に抽出したコーヒー液
左の容器:後半に抽出したコーヒー液
抽出液を前後で比較してわかったこと
抽出前半と抽出後半では、予想以上に違いがはっきり出て、正直びっくりしました。
色 | 香り | 味 | |
前半の抽出液 | 濃い | コーヒー本来の香り | 濃密な味わい |
後半の抽出液 | 薄い | 焦げた臭い | 渋い |
前半の抽出液

色・・・濃い
香り・・・コーヒー豆本来のいい香り
味わい・・・濃密ではっきりとした味わい
後半の抽出液

色・・・前半よりも薄い
香り・・・焦げたようなイヤな臭い
味わい・・・口に含んだ後に強い渋み
抽出液の前後で成分の溶け方が違う
苦味はおいしい成分から溶け出す

例えば、コーヒーの苦味には「水に溶けやすい苦味」と「水に溶けにくい苦味」の2種類あります。
水に溶けやすいキレのある苦味が「うまみ成分」
水に溶けにくい焦げたような苦味が「雑味成分」です。
コーヒー豆本来の甘味が溶け出すのが渋味と同じくらいのタイミングですが、抽出を3投目で終えておくことができれば、渋味を最小限に抑えることができます。
雑味がないコーヒーとは
▼イメージはこんな感じです
前半にうまみ成分だけ抽出して・・・

後半はお湯で足して、好きな濃さに調整します。
その結果、雑味がない美味しいコーヒーができあがります。

コーヒー豆の鮮度が落ちている原因は、焙煎してから時間が経っているからです。
コーヒー豆通販サイトなら、注文した後に焙煎してくれるので、いつでも新鮮な状態でコーヒー豆を受け取ることができます。
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抽出液を前後でおいしく淹れる方法
今回の実験で分かったことを踏まえて、美味しいコーヒーを作る方法を考案してみます。
ここでいう美味しいコーヒーの定義は、雑味のないコーヒーを言います。
確実に美味しいコーヒーをつくるには、コーヒー抽出を半分の量で止め、差し湯で濃さを調整するのがおすすめです。
ちなみに「差し湯すると味が薄くなってお湯みたくなりそう」と言われますが、それは大きな誤解です。
なぜなら、コーヒーのうまみエキス9割以上は前半(3投目まで目安)で抽出されてしまうからです。
差し湯の量をオーバーしない限り、味の濃度は薄く感じることはありません。
美味しいコーヒーを作る条件は2つ
※ここで解説する「美味しいコーヒー」とは、雑味がないコーヒーと定義します。
①コーヒー豆の量は普段の1.5倍にする
②抽出する量はいつもの半分にとどめる
コーヒー1杯あたり(200ml)12グラムのコーヒー豆を使っている方は、次のレシピを参考にしてみてください。
飲みたい量 | 差し湯する前の量 | 豆の使用量 |
200ml | 100ml | 18g |
300ml | 150ml | 27g |
400ml | 200ml | 36g |
500ml | 250ml | 45g |
※コーヒー豆の量の好みは個人差なので、普段の量を考慮しながら作っていきましょう。

・ドリッパー
・サーバー容器(耐熱)
・コーヒー豆
・お湯 85度推奨
①ドリッパーにフィルターをセットしたら、湯通し

・ペーパーの臭いを取る
・サーバーを余熱できる
・フィルターとドリッパーの型を合わせる

②コーヒー粉をドリッパーにセット

③蒸らし

※蒸らしで膨らまない場合は、鮮度が落ちている場合があるので要チェック!


④細い1本線で注ぐ

⑤100mlに達したらドリッパーを外す

⑥サーバーにお湯を100ml注ぐ

⑦かき混ぜて味のムラをなくし、カップへ注ぐ

完成!

忙しい朝にコーヒーベースという選択
忙しい朝はドリップコーヒーを作っている暇がない!
でも、インスタントコーヒーを飲むのは抵抗があるし、飲むなら本格的なコーヒーを飲みたい・・・
そんな方にオススメなのが、コーヒーベースです。
結論、前半の抽出液を急冷するだけで、コーヒーベースの完成です。
コーヒーベースとは、コーヒーのうまみ成分を凝縮させた特濃エキスです。
翌朝熱湯を注ぐだけで、淹れたてのような美味しいコーヒーを飲むことができます。
コーヒーベースを作ってみたい!という方は、下のリンクからチェックしてみてください。

以上、今回はペーパードリップで抽出した場合、前半と後半でどう変わるのか、を解説しました。
初めてご覧になった方は、是非ほかの記事もチェックしてもられえたら嬉しいです。
それでは今日も素敵なコーヒーライフをお過ごしください。
宅飲みコーヒーのとむ(@takunomi_coffee)でした。
Have a nice drip!